ダンスフロアに華やかな光 #01

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初めて投票に行ったのは25才を過ぎてからだけれど、応援FAXを送ったのは21才の頃だ。

そのくらい、政治自体には理解も関心もないのだけれど、不思議と魅力的な政治家が身近にいたりする。

だから1度は背伸びして、衆議院と参議院の違いを調べたりもしたけれど(そこから)、やがて関心も薄れ、一応選挙の前に配られる広報誌を読んで捨てるよりもマシな一票を投じる程度だったわたしに、また面白い友人が現れた。

その友人伝いに「都民ファーストの会決起会」に出席しても良いよといわれ、社会科見学気分で目黒雅叙園に行って来た。

一般的な結婚披露宴会場を3倍くらいにしたホールにイスが並び、前に壇上、後ろにはマスコミだ。
開場と同時に少しきれいな格好をしたアグレッシブそうな老若男女がなだれ込み、あっという間に満席。
ひいきやなじみを見つけては朗らかな声を上げていた。

そもそも「都民ファーストの会」ってなんなんだろう。
会長は現都知事でもある小池さんで、なんでも自民党に離職届を出してきたばかり。てことは、新しい政党?

いや、どうやら違うらしい。

政治どころか最近のニュースに冴え疎いわたしが察するに、高い支持率を誇る現職知事お墨付きの人々の「会」ということのようだ。
この会に認められた人は、心根はきれいでしっかりしてるし、いざ実行となれば実現可能なプランニングも出来る。ただし、採択されるかどうかは都民のみなさんが決めることだけどね、といったことを言っていた。

それを聞いたコヤナギ個人の感想は、恥ずかしながら「へー」だった。

「恥ずかしながら」の内訳は、

・その場に立ち会ったのに
・いい年して理解が足りないのでは
・他人事かよ

の3点だ。 

独身の有職者なため、社会に感じる直接的な不満が思い浮かばないからだろうと思う。困ってないのだ。

何かしらで困っている人がいることは知っている。
だけど、それがどういったものなのか「恥ずかしながら」分からないのだ。

小池さんの挨拶から始まった決起会は、彼女のハンドサインに合わせてフラッシュがたかれ、さながらオーケストラの指揮者のようだった。

祝辞に駆けつけた政治家や有職者が会に掛ける希望や、望む未来について熱っぽく語る。すると、聴衆からは「そうだ!」など賛同のヤジが飛ぶ。

会は大変に盛り上がり、みんな高揚していた。

門出には希望と不安がつきもので、誰だって声のひとつも上ずるだろう。

わたしは自分の居場所を求めるように、早々に会場を後にした。

別にイヤな思いをしたわけではないし、友だちの門出は応援したい。ただ、分からないけど、あの浮ついた大人たちがみんな「なにに困っているか知っていて、それが解消できると喜んでいる」ようには見えなくて、もやもやとした。

これって、ただ単にわたしに苦手意識や政治アレルギーみたいなものが働いてるだけなんだろうか。

盛り上がってるパーティーのピークタイムに乗りそびれたみたいで、すねているだけかもしれない。

2334(30分)

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